2007年12月26日水曜日

吉見俊哉『博覧会の政治学』

4121010906博覧会の政治学―まなざしの近代 (中公新書)
吉見 俊哉
中央公論社 1992-09

来年6月くらいに「芸術」にまつわる制度的問題について語るための基本文献として。
ちょっと冷静に読めるようになっているらしく、この人の面白さは、抽象的な言語や論理を駆使して物語をつむぎ出せることなんだろうなあ、という感想を持つようになった。なんて見てきたように「万博」や「内国勧業博覧会」について語ることができる人なんだ!
「内国勧業博覧会」から「万博」への移行と、そこに絡む帝国主義的動向と、主催者の変遷(国から企業)といったことを押さえた上で、フーコーを借りて「視線の再編成」の事例として「万博」を、コンパクトに語ることができれば、もうばっちし。
だけどそんなコンパクトにできるわけもない。
この新書は忘れずに、しばらく頭の中で冷やしておくこと。

個人的には、誕生直後の万博と戦後の万博とが視線の編成という観点からは全く違ったものとなっていたことを明らかにしてくれていて、面白かった。「世界」を視る方法から「未来」を視る方法の教育云々、と。ま、これもまたしばらくしてからまとめていこう。今はまだ、こういう問題圏とこういう問題の切り口があることを勉強した、だけの段階。というか知らないことが多すぎたので、へー、と勉強したに過ぎない段階。もうちょっと「勉強」しよう。
あと、19世紀にはけっこうほとんどの万博で「人間の展示」が行われていた、ってのは面白かった。


この世代の人で「活躍」している人は、みんな「専業非常勤講師」歴がないのだなあ。
下の「大学授業入門」で垣間見えてくる「大学」と全く違うや。
なんというか、どういうつもりで何をどう考えていけば良いのやら。「普通の社会人」が悩むことではないと思うけど。

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