2007年5月6日日曜日

倉田喜弘 2001 『「はやり歌」の考古学』 東京:文春新書。

倉田 喜弘『「はやり歌」の考古学―開国から戦後復興まで』

倉田喜弘 2006 『日本レコ-ド文化史』 東京:岩波現代文庫。は日本の話だけで残念。あと、資料収集検索はものすごいけど、生産・流通・消費のプロセスがどのように変化していった等々を、美学的というか、データの記述以外の言葉で記述していないのが残念。

幾つか分かったこと
日本の「はやり歌」「流行歌」「歌謡曲」等々は、カチューシャの唄以前と以後で概観できるだろう、と見当をつけていたけど、それほど簡単なプロセスではない。
端唄、壮士歌、蓄音機受容、「はやり歌」、「浪花節」、軍歌と賛美歌受容以降の「洋楽」創出、「現代邦楽」の出現、「音楽美学」の受容、等々は、全て関連がありながらも、それぞれの領域内で推し進められていると考えるべき。

今の課題
それぞれをどのように区分すべきか、それぞれの結節点はどこか、をもう少し明確に把握すること。
あと、音源資料が入手できないものが多過ぎる。あっても絶版が多いし、いちいち高い。パブリック・ドメインじゃないのか?パブリック・ドメインでも「好事家」が好む代物なら、ubu.comみたいなサイトからオンラインでダウンロードできるという状況にはならなさそうな気がする。最近、科研採択一覧というものすごく馬鹿みたいな雑用をしたので知ってるのだけど、日本の初期SP録音や日本の電子音楽の黎明期の音源のデータベース化並びにアーカイヴ化は進められているらしいので、ぜひとも利用しやすい形で早めに公開してもらいたい。

今の概観
大雑把な枠組み

歌えなかった日本人

幕末~明治20年代
端唄等

明治10~20年代
軍楽と唱歌の定着
(自由民権運動→)壮士歌

1914(大正3年)
「カチューシャの唄」

検閲の時代

選定歌、懸賞歌

15年戦争中

WWII後

ここに入ってないのは、日本の蓄音機受容、「浪花節」の重要性、軍歌と賛美歌受容以降の「洋楽」創出(音楽取調掛の動向)、「現代邦楽」、「音楽美学」、とかか。
大雑把過ぎるか。もうちょい勉強せんとなんともならん。なんかないかな。

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