2007年11月21日水曜日

The Audible Past

082233013XThe Audible Past: Cultural Origins of Sound Reproduction
Jonathan Sterne
Duke Univ Pr (Tx) 2003-02

by G-Tools

なにがびっくりしたって、第二章と第三章のポイントのはずの「audile technique」という言葉を、ずうっと「audible technique」と思ってたこと。「audile」って言葉があるらしく、使われているのを見た記憶が無いけど、知覚において(視覚よりも)聴覚が優先的な人のこと、もしくは、知覚において(視覚よりも)聴覚が優先的な、という意味らしい。

とりあえずの訳語は
「audile technique / 聴覚中心的な技法 : technique of listening / 聴取の技法」
「techniques of audition(p.99)」は未定。

(身体の=聴覚の)技法が変化し、変化した技法こそが聴診器などのテクノロジーへと具現化した、というお話になるので、たんにテクノロジーとは人間の身体感覚が外化されたものだ、と述べるだけのメディア論とは違う、ということらしい(たぶん)。
つまり、身体感覚が単に外に出たもの(視覚の延長としてのメガネ、写真、望遠鏡等々、あるいは記憶力の延長としてのメモ帳、PC等々)として様々なテクノロジーを理解するのではなく、その前に、身体の諸感覚の変容を記述しよう、ということらしい。聴覚の技法が変化し、体内の音を病気の予兆として聞き取る(=音を知識を構成する一要素として理解する「聴覚」が出現する)からこそ、聴診器は「テクノロジー」として現実化するのだ、とか。
たぶん。

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